2012年3月3日土曜日

雛祭り~心の中の思い出

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今日は雛祭り。

女の子なら誰しも、ひな人形に思い出があると思います。

私は小さい時から男の子のような子供で、ひな人形にあまり興味がなかったのですが・・・。


それでも友達の家の大きな雛段を観てはすごいなぁ~と、思いながらも、自宅の小さなガラスの

中のひな壇で満足していました。ひな壇にこれといって思い入れは無かったのかも知れません(笑)


でもある時からひな人形を見ると辛くなりました・・・。


小学校の5年生の時のことです。

私は風邪をひいてしまって学校へは行けず、でも雛祭りの日の給食はいつもと違い、ちらし寿司に

ちいさな雛ケーキがついている日で、どうしても行きたかったのですが、熱が下がらず・・・。


友達が電話をしてきてくれて、私のお見舞いに電話をくれたのかと・・・思っていました。

しかし内容は違っていたのです。


クラスメートだった男の子の家が火事で全焼してしまい・・・亡くなったという話でした。


折しも3月3日の今日の日のことでした。


その家は、下町には珍しく少し大きな工場がありました。

その工場で作っていたのはひな人形だったのです。



夜中に出火したらしく、逃げ遅れた友達と家族は、工場のシャッターの前で亡くなっていたそうです。

そのシャッターは電動式で、出火と共に電気が入らなくなり逃げ遅れてしまった・・・と聞いています。

お父様だけが何とか全身大火傷を負いながらも助かったそうです。



ひな人形を作っていた友達の家が、3月3日の雛祭りの日に、火事で亡くなるというショックは

何とも言い表すことが出来ませんでした。



その翌々日、風邪をひいていた私でしたが、学校に行き、お葬式に出席しました。


無口だったその友達とは、そんなに仲の良い方ではありませんでしたが、今でも3月3日の雛祭り

には思い出してしまいます。


40年以上の前の話ですが、そんなことがあった日から、毎年ひな人形を見ると思い出しています。

人は心に傷を負うと、いつまでも、なかなか癒せるものではないのですよね。


いつまでも思い出し涙することは、本当は良くないことと分かっていながらも、決して忘れることは

無いのだと思います。ならば、涙することなく、こうやって思い出すことで、その人の存在を思い出し

てあげるだけで、自分としては辛い思い出でも、亡くなった人には、供養になる気がします。



いろいろな形で、心に傷を負った人達に、言葉で慰めても、本当の慰めにはならないのかも

知れません。それでも心の傷を分かってあげられる人でありたいと・・・いつも思うのです。










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