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今日は雛祭り。
女の子なら誰しも、ひな人形に思い出があると思います。
私は小さい時から男の子のような子供で、ひな人形にあまり興味がなかったのですが・・・。
それでも友達の家の大きな雛段を観てはすごいなぁ~と、思いながらも、自宅の小さなガラスの
中のひな壇で満足していました。ひな壇にこれといって思い入れは無かったのかも知れません(笑)
でもある時からひな人形を見ると辛くなりました・・・。
小学校の5年生の時のことです。
私は風邪をひいてしまって学校へは行けず、でも雛祭りの日の給食はいつもと違い、ちらし寿司に
ちいさな雛ケーキがついている日で、どうしても行きたかったのですが、熱が下がらず・・・。
友達が電話をしてきてくれて、私のお見舞いに電話をくれたのかと・・・思っていました。
しかし内容は違っていたのです。
クラスメートだった男の子の家が火事で全焼してしまい・・・亡くなったという話でした。
折しも3月3日の今日の日のことでした。
その家は、下町には珍しく少し大きな工場がありました。
その工場で作っていたのはひな人形だったのです。
夜中に出火したらしく、逃げ遅れた友達と家族は、工場のシャッターの前で亡くなっていたそうです。
そのシャッターは電動式で、出火と共に電気が入らなくなり逃げ遅れてしまった・・・と聞いています。
お父様だけが何とか全身大火傷を負いながらも助かったそうです。
ひな人形を作っていた友達の家が、3月3日の雛祭りの日に、火事で亡くなるというショックは
何とも言い表すことが出来ませんでした。
その翌々日、風邪をひいていた私でしたが、学校に行き、お葬式に出席しました。
無口だったその友達とは、そんなに仲の良い方ではありませんでしたが、今でも3月3日の雛祭り
には思い出してしまいます。
40年以上の前の話ですが、そんなことがあった日から、毎年ひな人形を見ると思い出しています。
人は心に傷を負うと、いつまでも、なかなか癒せるものではないのですよね。
いつまでも思い出し涙することは、本当は良くないことと分かっていながらも、決して忘れることは
無いのだと思います。ならば、涙することなく、こうやって思い出すことで、その人の存在を思い出し
てあげるだけで、自分としては辛い思い出でも、亡くなった人には、供養になる気がします。
いろいろな形で、心に傷を負った人達に、言葉で慰めても、本当の慰めにはならないのかも
知れません。それでも心の傷を分かってあげられる人でありたいと・・・いつも思うのです。
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